家族信託と認知症

家族信託と認知症

 家族信託という言葉を聞いたことはありますでしょうか?

 ちなみに、家族信託と民事信託はほとんど同じ意味だと思っていただいて構いません。

 ネットやテレビの特集などで家族信託をすれば、認知症になっても、不動産の処分ができるという情報を得た方から「私も家族信託をしたい!」というようなご相談を受けることもあります。

 また、一部の専門家の中には、家族信託についてそこまで知識がないのにもかかわらず、家族信託が得意ですなどと大げさにアピールしている方がいるのも事実です。

 家族信託とは、一言で言い表すと財産管理と遺産承継の両方の効果をあわせ持つ生前契約です。

 しかし、家族信託を進めていくのはそう簡単なことではありません。

 オーダーメイドの信託契約書を公正証書としてきちんと作成する必要があります。

 「先生!家族信託の登記をお願いします。」「はい、じゃあすぐに家族信託しときますね。」なんていうようにとんとん拍子でできるような話ではないのです。

 家族信託という手段は、利用される本人だけでなく家族の方々などにも大きな影響を及ぼすため、家族信託を設定するのに適した状況でなければ利用することは難しいですし、さらに家族信託をしたいと思ったときにはすでに本人が認知症等である場合はそもそも利用することができません。

 重要なことなのでもう一度言いますね。

 認知症等になり、判断能力がなくなってしまうと、家族信託を進めていくことはできません。

 家族信託は他の制度を組み合わせることでより効果を発揮することが可能となりますので、無理に家族信託の制度単独で問題のすべてを解決しようとすべきではありません。

 また、信託契約書作成にあたっては税金面の考慮も欠かせませんので、自分たちだけで見様見真似で家族信託の契約書を作成しましたという方々に、後々予期せぬ課税が生じてしまうケースもあります。

 家族信託をご検討されている方はお早めに専門家へ相談することをオススメします。