減資(資本金の額の減少)
株式会社や合同会社は法令で定められた手続きを踏むことで資本金の額を減少させることができます。
資本金の額の減少は、減資(げんし)と呼ばれています。
株式会社で増資と減資を同時に行うということも可能です。
資本金の額は登記事項ですので、資本金の額を減らすことのできる額は、資本金の額として登記された金額までとなります。つまり、0円まで減資することが可能です。
資本金の額マイナスは登記することができません。
減資における株式会社と合同会社の違い
株式会社と合同会社の減資の手続きを行う場合には、大きく異なる点があります。
それは株式会社は比較的自由に減資ができるのに対し、合同会社の減資は法令や規則に定められた場合のみ可能であるということです。
合同会社のケースは、「減資したいな、よしっ減資しよう」とはできないのです。
これに対し、株式会社のケースは一定のステップを踏む必要はありますが、自由に減資を行うことができます。
例えば、株式会社は「節税したいな、うむ減資だ」が実現できてしまいます。
減資の手続きの際の重要なステップ
株式会社と合同会社に共通する話になります。
減資を行うに際しては、避けては通れない重要なステップの一つをご紹介します。
それは、債権者保護手続きです。
資本金の額を減少するという手続きは、会社の債権者にとって少なからず影響を及ぼしますので、債権者に対し事前に公告や催告を通して、その概要を予め知らせておく必要があります。
債権者保護手続きの内容としては、代表例として、官報公告及び各債権者への個別催告が挙げられます。「及び」というところがポイントでして、どちらか片方ではなく両方しなければなりません。
官報公告は、官報販売所へ掲載する原稿を添えて申込みをするのですが、申込みしてすぐに掲載となるわけではなく、申込日から10日前後に掲載されるなどタイムラグがありますので、その点は覚えておきましょう。
その他のパターンとしては、官報公告及び電子公告などのパターンもありますが、その場合には、会社の公告方法が電子公告などに対応しているかチェックしておく、もしくは、減資の手続きを行う前に、公告方法に関する定款変更をしておく必要があります。
債権者保護手続きが完了していないと、減資の登記を申請することができませんので、手続きを進めていく際にはスケジュールに余裕をもって進めておきましょう。
合同会社の社員の退社と減資について
合同会社の社員が退社する際には、その社員が出資した持分(全部)の払戻しを行います。
持分の払戻しは出資の種類を問わず金銭で払い戻すことができます。
その際には、無条件に持分の払戻しを受けることができるのではなく、持分払戻規制があります。
この持分払戻規制には大きく分けて3区分あり、それぞれ債権者保護手続きの要否も異なるため注意が必要です。
具体的には、持分の払戻しをする日における剰余金額を超える or 超えないか、会社の簿価純資産額を超えるかのボーダーごとに規制の内容が細かく分かれています。
このように、社員の退社に伴い持分の払戻しをする際には、会社の状況を慎重に判断し、手続きを行わなければならないため、実務上は他の社員が持分全部を譲り受けることにより、持分の払戻しを回避するという手続き方法もあります。